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『ふれんち茶懐石』〜端午の節句〜

『ふれんち茶懐石』〜端午の節句〜

こんにちは。柔和の会の料理方、秋本です。このコラムでは、日本の風習や過去のイベントで提供した『ふれんち茶懐石』についてご紹介していきます。

第2回 「端午の節句」と『ふれんち茶懐石』

端午の節句、菖蒲の節句とも呼ばれており、日本では端午の節句に男子の健やかな成長を祈願し各種の行事を行う風習があります。現在では5月5日に行われ、国民の祝日「こどもの日」になっております。

5月の最初の午の日を節句として祝っていたものが、後に5が重なる5月5日が「端午の節句」の日へ。「端」(はし)は「始め・最初」という意味であり、「端午」は5月の最初の午の日を意味していましたが、「午」と「五」が同じ発音「ウ-」であったことから5月5日に変わったと言われています。

鎌倉以降の時代になると、「菖蒲」が「尚武」と同じ読みであること、また、菖蒲の葉の形が剣を連想させる事などから、端午は男の子の節句とされたそうです。そして現在は男の子の成長を祝い、健康を祈るような風習になっています。

ふれんち茶懐石のご紹介

前菜・スープ

前菜:「鰹のミキュイ 生姜香るソースと抹茶のオイル」

棒状にカットした鰹に抹茶と碾茶のパウダーをまぶして低温加熱しました。生姜のエキスが入ったソースに抹茶で作ったオイルを浮かべて。「鰹」は春に旬を迎える魚です。カツオを加工して作られる鰹節もまた、縁起物であり、「勝男ぶし」の当て字が示すように「勝つ男」に通じます。

スープ:「サクラエビのコンソメ エビと蓮根のムースを浮かべて」

サクラエビをフランス料理のコンソメスープと同じ技法を用いて、4時間かけて仕上げました。浮き身には、抹茶を練りこんだエビと蓮根のムースに彩り豊かな花を閉じ込めました。「海老」は長寿の象徴。「蓮根」は先が見通せる人生を願う縁起物です。

メイン・デザート

メイン:「馬肉フィレ肉のステーキ カフェドパリソースをオマージュした抹茶の泡を添えて」

馬肉のフィレをフライパンでじっくり火を通して、柔らかく仕上げて筍のグリルと一緒に。付け合わせにクスクスを添えて、ちまきをイメージしました。「馬」は古来より縁起の良い動物とされ、勝運や独立、出世の象徴。「筍」はまっすぐ元気に育つ願いを込めた食材です。

「カフェドパリソース」は、1940年代にジュネーヴのレストラン「カフェ・ド・パリ」で生まれた合わせバターを用いたソース。ハーブやスパイス、マスタード、ウスターソース、アンチョビなどがバターに練り込まれ、肉料理の味わいを引き立てます。

デザート:「抹茶と白あんのオムレット 柏餅をモチーフに」

白あんと抹茶を混ぜたクリームとホイップクリームをマーブル状にして、白く仕上げたオムレット生地で包み柏餅をモチーフにしました。「柏餅」は家系の繁栄を象徴する縁起の良い食べ物。

「オムレット」はフランス語由来で、薄く焼いたスポンジ生地でクリームや果物を包んだ洋菓子。語源はラテン語の「小さな金属の薄い板」に由来し、軽やかな食感が特徴です。

端午の節句の伝統に彩られた『ふれんち茶懐石』で、日本の美しい文化と柔和の会が提案する新しい食文化をぜひご堪能ください。

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