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5月の茶花について

5月になりました。
お茶の世界は炉が塞がりまして、いよいよ風炉の登場です。

釜で見えにくかった灰形が、より見やすく魅力的に目に映りまして、亭主の心入れがより表れる季節となります。

さて、この時期は特に初めて風炉を使うので、「初風炉(しょぶろ)」と称されるのですが、その時にいれる花は基本的に「大山蓮華」と決まっております。

そして、その次に入れられるのはやはり「あやめ」。
本日は「あやめ」について少しお話ししたいと思います。

●葉菖蒲とあやめは違う植物

5月5日が近づくと、近所のスーパーにも菖蒲の葉が置かれるようになりますね。

端午の節句では、菖蒲湯が最も有名な邪気払いと知られていますが、他にも軒菖蒲や、菖蒲枕、薬玉など、菖蒲の葉の香りを使った方法がいくつもあります。

しかし、実は葉菖蒲と、皆様想像している「あやめの花」を咲かせる菖蒲は異なる植物で、スーパーで販売されている葉菖蒲は、サトイモ科の棒状の地味な花を咲かせます。
一方で「あやめ」を咲かせるのは、アヤメ科のアヤメです。

アヤメは杜若と違い、うっすら黄色の染められたところがあり、さらにそこに文目(あやめ)の文様があるところから、この名となりました。
ちなみに燕子花は字の如く、燕が翼を開いた様を表しているように、白くて横に広がりのある花形です。

葉菖蒲、アヤメ、燕子花、似ているようです違いますので、その出生を想起させるような入れ方もおすすめです。

夏に向けて花が咲き誇るこの時期。
遠くの山に赴いて、ささやかな自然の花を求めて散策してみてはいかがでしょうか?

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