『ふれんち茶懐石』〜上巳の節句〜

こんにちは。柔和の会の料理方、秋本です。このコラムでは、日本の風習や過去のイベントで提供した『ふれんち茶懐石』についてご紹介していきます。
第1回 「上巳の節句」と『ふれんち茶懐石』
春の訪れを告げる「上巳の節句(じょうしのせっく)」は、3月3日に祝われる五節句のひとつで、桃の花が咲く季節にちなみ「桃の節句」とも呼ばれます。この行事は平安時代以前から続いており、貴族の子女が健康と厄除けを願って遊んだのが始まりです。やがて庶民にも広まり、紙の人形に厄を移して川に流す「流し雛」の風習も生まれました。
ふれんち茶懐石のご紹介

前菜:「赤貝とほっき貝のマリネ 抹茶と白みそのソース」
京都のひな祭りのごちそう“てっぱい”にインスパイアされた一品。新鮮な赤貝とほっき貝のプリっとした食感が際立つマリネは、ほのかに香る抹茶とまろやかな白みそのソースが和とフレンチの融合を演出します。縁起物の蓮根ムースを添えることで、華やかな春の訪れを感じさせます。
スープ:「蛤のポタージュ 三色のラビオリと」
夫婦円満の象徴とされる蛤を贅沢に使用したポタージュ。クリーミーなスープの中に浮かぶ三色ラビオリは、菱餅カラーをモチーフにしており、ふんわりとした蛤ムースが詰まっています。仕上げの抹茶オイルが香り高いアクセントを加え、ひな祭りらしい彩り豊かな一皿です。

メイン:「魚貝のポワレ 白酒香るナージュ風仕立て」
子宝祈願の意味を持つ笹ガレイと、縁起の良い二枚貝を組み合わせたメインディッシュ。白酒ベースのソースが魚介の旨味を引き立て、口に含むたびにふんわりと甘く華やかな香りが広がります。春の訪れを祝う一皿として、爽やかな余韻が残る仕上がりです。
デザート:「三色ムースのタルト 菱餅をモチーフに」
抹茶、イチゴ、クリームチーズの三層ムースが織りなすデザートは、菱餅をイメージした鮮やかな色合い。さらに春夏秋冬を象徴する四色の琥珀糖をトッピングし、光を受けてキラキラと輝く姿はまるで宝石のようです。サクサクのタルト生地と、滑らかなムースの食感のコントラストもお楽しみいただけます。
ひな祭りの伝統に彩られた『ふれんち茶懐石』で、春の息吹と日本の美しい文化、そして柔和の会が提案する新しい食文化をぜひご堪能ください
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