古くから伝わる「長唄」の楽譜のかたち
これまで3回にわたり、お茶→フレンチ→三味線という内容で書いていた柔和の会の体験レポート・コラムですが、今回は「唄」をテーマに、楽譜のことについて触れていきたいと思います。
さて、ギターやピアノなど楽器を趣味にしている方にとっては、身近な「楽譜」。練習の必須アイテムですよね。
ギターはタブ譜、ピアノやボイストレーニングなどでは五線譜を用いることが多いかと思います。学生の時に音楽の授業で見ていた楽譜も五線譜でしたよね。
タブ譜も五線譜も左から右に読んでいくのが一般的ですが、実は「長唄」の楽譜には縦書きのものがあります。
「縦書きなんて昔の話でしょ?」と思う方も多いと思いますが、縦書きの楽譜、通称:縦譜(たてふ)は長唄の世界では今でも多くの方に使われているものなのです。
縦譜は「数字」「いろはにほへと」などパッとみただけではわからない書き方になっており、音の高低差は五線譜のようにはわかりません。まるで暗号を解いていくような印象です。
諸説ありますが、大切な曲を守っていくために流派によって表記方が異なるなど簡単に読み取れない工夫をしていたという話もあります。
譜面をみると歌詞が大きく書かれており全体的に巻紙・書物のよう。文章に覚書程度のサイズで数字が書いてあるのも特徴ですね。
「なぜ?」と思うことがたくさんある邦楽の世界ですが、それには昔の人の思いや意図があったりするようです。
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