茶の湯の世界〜3月の風景〜
皆様、こんにちは。
いよいよ3月になりまして、蕗のとうが顔を覗かせたり、沈丁花の香りが漂ったりと、いよいよ春めく今日この頃となりました。茶の湯の世界でも、春は長い冬が終わりを告げ、待ちに待ったお茶会のシーズンとなります。
暖かくなるこの季節では、茶室の「釜」にどんな変化が見られるかをお話しします。
しつらえの変化
・通常の釜
11月以降、お茶室で使われる釜は、畳に切られた炉の中にある五徳に置かれています。通常の釜の形はこちらです。

ただ、暖かくなる春の季節はそのままですとお茶室の中が暑くなってしまうため、釜の形状と、使い方が変わります。
それは大きく、2つの種類に分けられます。
1、釣釜
お茶を喫する空間をお茶室と言いますが、窓から入り込む暖気を避けるため、天井から釜が釣られた「釣釜」が登場します。
釣釜は五徳を用いず、釜が浮いている状態になっています。客人が茶室に入るまでは火に近いところまで下げられており、客人が入室すると鎖の位置を高く上げて湯の沸きを抑え、茶室の温度を調整します。
湯の温度の調整がしやすいところから、流儀によっては「茶飯釜」という、釜でご飯を炊き、その釜を清めてお湯を沸かし直すというお茶会の方法があります。釣釜ならではのお茶会です。

2、透木釜
透木釜も春に用いられる釜です。こちらは羽釜とも言い、釜に羽が残っている形状で、釜の原型です。この羽は五徳が発明されたことによって必要性を失い、現在の釜からは失われています。
しかし、3月4月は炉の暖気を避けるために、この羽釜を用います。羽で炉を塞ぐようにして置くわけです。
ただ、直接、羽を炉壇にあてるわけにはいかないため、小さな木を間に挟みます。この木のことを「透木」と言い、そこから釜の名称も「透木釜」となりました。
(写真がないため、羽釜をイメージください。)
3月は、千利休を偲ぶ利休忌や、小堀遠州を偲ぶ遠州忌、そして大師会など、有名なお茶会が開かれるのもこの時季ならでは。
また、この頃を「炉の名残」とも言い、冬の最後の風情を楽しみます。11月に開いてから行われた炉のお茶会などの思い出を振り返りながら、ぜひ春の日を皆で寿ぎましょう。







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